やけどの治療(あなたは間違ったことをしていませんか)

 やけどはいつでも、私たちの身の回りで起きやすいけがの一つで、特に子供に多く起きる事故です。子供たちは、自分のそばにあるものが危険な物かどうかの判断ができないことが多く、家庭内には子供たちにとって大変危険な物がたくさんあるのを知っておく必要があります。たとえば、ポットのお湯、アイロン、タバコの火、ストーブなどたくさんの危ない物があります。ちよっと気をつけてほしいことは、子供たちの目線は大人より低い位置にあり、高いところにのっている自分に見えない物に興味を示すということです。食卓のテーブルクロスの上などに親が飲むコーヒーやお茶をのせておいて、小さな子供が下の方から興味本意にクロスを引っ張ったり、つかまったりすると大変なことになります。やかんをのせたストーブにぶつかってお湯をかぶってしまう事さえあります。タバコを吸いながら子供をだきやけどをさせてしまうような大人の不注意もあります。熱い物だけがやけどの原因ではありません。電気のプラグをくわえてしまったり、化学薬品をかぶってやけどをすることもあります。ゆたんぽやあんか、ファンヒーターなどの比較的低い温度の物でも長時間かかってやけどをする場合があります(低温熱傷)。ゆたんぼやあんかは布団を暖めるためにだけ使うようにし、ファンヒーターの前で寝たり、子供を寝せたりしない注意も必要です。子供は大人の考えつかないような行動をすることがあります。危険な物は極力子供のそばには置かないのが事故を未然に防ぐ第一歩です。
 不幸にしてやけどをしてしまった場合はまず流水で20分から30分よく冷やすことです。局所の冷却の効果は、やけどが深くなることの予防と鎮痛にあります。小さな子供の場合は10%程度のやけどでもショックを起こすことがあり大変危険です。家庭で治療が可能なやけどは手のひらの大きさ程度まで(やけどをした人の手のひらの大きさがおおよそ1%)と考えましょう。やけどの原因が炎や煮えたぎったお湯など明らかに深そうな場合や、外観の気になる顔にやけどをした場合、手足の指のようにやけどがひどくなると、くっついてしまったり曲がらなくなったりする場所、排泄物で汚れやすく家庭では処置に困る陰部のやけどなどは、たとえ小範囲でも病院に行くのが賢明です。
 やけどの治療は、まず痛みをとり、感染を予防して新しい皮膚が再生しやすくしてやることにあります。やけどをするとアロエの葉や、キュウリ、みそなどを貼る人がいますが、かぶれたり細菌感染を起こしたりすることがあり、傷の治りが悪くなるので勧められません。やけどをしてしばらくすると水疱が出来てくることがあります。この状態を2度のやけどといいますが、2度でも浅い2度と深い2度があり浅い方の場合は軟膏治療などで治っていきます。この時に出来てくる水疱は、無理やり破かない方が痛みも軽く傷の治りもよくなります。深い場合は1〜2週間たっても傷は治りにくく、ケロイドになったり運動の障害になったりするのを防ぐために植皮をする必要があります。やけどをしても入浴はさける必要はありません。むしろきれいに洗ってから軟膏を交換する方が、傷の治りが良くなるので積極的に洗うことを勧めます。